2.Growing Up/成長期

『父と僕が一緒にドラッグをする時、まるで父が知っている唯一の方法で僕に愛を伝えようとしているみたいだった』(1988)


悲しいことにRDSについて最も有名なことは、映画作品についてではなく、息子にドラッグを与えたこと。8歳のロバートにマリファナを与えたのが最初。それは1973年のこと。RDJはその後中毒になり、もう少しで破滅するところだった。
ダウニー家には常に薬物があった。RDJはそれを『人生の定番』とさえ呼んだ。RDJは父親の肩車でグリニッジビレッジを歩き回ったことを覚えている。映画館によく行き、オープニングクレジット後に席を立った。
RDSは自分が見ているものに関して深く考えなかったからだ。7歳のRDJは既に家でジャズを弾いて遊んでいるくらい、家の中は芸術というもので溢れ返っていた。
ダウニー一家はよく旅行をした。RDJ曰く、家に帰る度に、新しい友達が出来たと父親に語り、父親は家族に荷物を詰めるよう言ったと。
NY、ウッドストック、コネチカット、カリフォルニアを飛び回った。そのため、RDJの学校教育という点に関しては、大混乱を引き起こした。”Putney Swope”(1969)公開後、ロンドンにも一時滞在。というのも、RDSがNYより退屈な場所に行く必要があると考えたから。
RDJはチェルシーにあるPerry House Schoolでバレエのレッスンを受けた。後にBiography Channelで、教師にアメリカアクセントと文法を批判され、不必要に罰されたと語っている。『先生が「ロバート?」と言うから”What?”と言った。そしたら「whatなんて言うな。”excuse me”と言いなさい」と』
「僕は英国式教育は楽しくなかった。先生は酷く緊張しているように見えたしね」
一家はアメリカに戻り、RDJが家にいる間、姉のアリソンは寄宿学校に送られた。1973年コネチカットで、RDJは後にMobyというミュージシャンになったリチャード・ホールと友達になった。

1975年”Moment to Moment”が公開するも、大衆には受け入れられず。

Chicago Sun-Timesに「父と共に、僕には演技をするという選択肢はなかった。姉は僕を面白そうに見た。僕は振り返って姉を叩く。16mmカメラが全部撮影している。僕にとってそれは日常のことだった」とRDJは後に語っている。
姉アリソンはRDJには、父親がいつも夢中になって欲しがっていた成功と名声を達成するセンスがあると信じていた。
ロバートは正式に演技のトレーニングを受けていないと言うが、彼は姉と共に今や国内で最も権威のあるシアターキャンプに参加している。2010年現在、Stagedoor Manorは将来のディズニーミュージカルスターを生み出す場として有名。
1976年、リチャード・アレンも参加していたが、「彼は本物のキャラクターだった。同世代の子供が持っていないような生意気なサングラスをかけていた。ロバートとアリソンはとても成熟していてクールだった」
子供達はRDSが奇妙な映画を作っているということは知っていたが、映画を見たいと思っていなかった。アレンから見てもRDSとエルシーはいい親には見えなかった。
RDJとアリソンも殆どの兄弟ほど悪くはないが家では敵対関係にあった。アリソンがRDJの指を鋏で切り落とそうとしたこともあった。
RDJとアリソンはキャンプの演劇プログラムを楽しんだ。生徒たちは自分で資料を作り演技するよう求められた。最終週には、RDJは演技の監督をした。アレン曰く「彼の父親が監督だから、彼も足跡を辿っていると思った。後に彼が演技で名を馳せた時、驚かなかった。カリスマ的だったからさ」

Robert Downey Jr. at Stagedoor, circa 1976. Photo: Kaethe Fine

翌年もRDJとアリソンはキャンプに参加。ダウニー一家は主にウッドストックに住んでいて、RDJの自信はかつてない程高かった。「ロバートは父親が監督でありプロデューサーであることを、当て付けまくっていた」と、キャンプ仲間。「彼はいい子ではなかった」。
子供達にとってRDSは何の意味もなかった。彼らは父親は脚本家ウィリアム・ゴールドマンであるジェニー・ゴールドマンや、ミュージカル「アニー」の共同作詞家兼作曲家マーティン・チャーニンの娘に、遥かに感銘を受けた。
RDJとアリソンは家よりは親密な兄弟の絆を築いていた。
アリソンはよそよそしくなかった。それは彼女が少し年上で少し賢かったからだろう。RDJはただみんなに自分を印象づけようとしていた。友達はいたが、人気者ではなかった。ある意味自分で孤立させていた。
が1977年夏、RDJは演技の本能を受け入れ、真面目に取り組むようになった。

【補足】
Stagedoor Manorについて。

Foot in the Door

Robert Downey, Jr., age thirteen, played Mr. Düssel in “The Diary of Anne Frank.” (Scripts aren’t necessarily age-appropriate.)

Stagedoor Manorの公式サイトから。

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